生酛造りとは何か

生酛(きもと)造りとは、乳酸を外部から添加せず、自然界に存在する乳酸菌の働きを活用して酒母(もと)を育てる伝統的な製法だ。明治時代以前はすべての日本酒がこの方法で造られていたが、現代では全生産量の数%にとどまる希少な製法となっている。

現代的な速醸酛との違い

現在主流の速醸酛は、市販の乳酸を加えることで安全に・短期間で酒母を造る方法。生酛はその工程を自然の微生物に委ねるため、仕込みに倍以上の時間と手間がかかる。

![酒蔵の醸造タンク](https://images.unsplash.com/photo-1574236170878-2e3cbe52d7c4?auto=format&fit=crop&w=800&q=80)

なぜ今、注目されるのか

① 複雑な旨味と酸
野生乳酸菌と酵母が競い合いながら育つ生酛は、速醸に比べてアミノ酸が豊富。ふっくらとした旨味と適度な酸が生まれ、燗酒にしたときの深みが格段に増す。

② 自然派志向の高まり
添加物に頼らない「自然醸造」への関心が国内外で高まっており、生酛・山廃は自然派ワインと並んで語られることも増えた。

③ 海外評価の上昇
ニューヨーク・パリなど海外の日本酒バーで生酛系は高価格帯として扱われており、輸出の付加価値向上に貢献している。

飲み方としては、ぬる燗〜熱燗(40〜50℃)で旨味がさらに引き立つ。まずは代表的な蔵元(菊正宗・大関の伝統的な生酛系など)から試してみてほしい。